教わったこと、気づいたこと

戦略について

古代ギリシアにおける意思決定は市民集会であった。20歳から60歳の人を集めて市民集会をするのだが、そのうちに人が集まりすぎて話がまとまらないということが分かってきて、その町ごとで代表を出すようにした。その代表が100人委員会を作るわけですがそれでもまだ多いというので、その100人委員会の中からさらに非常に前向きで物事を考えられる人を10人集め、その10人の組織をストラテゴ」(Stratego)と呼んだ。これは戦略の英語の「ストラテジー」の語源である。そのストラテゴというのは何かというと「構想」なのだ。要は「都市国家をどういう都市国家にしていこうかという構想を持つこと」が、元々「ストラテジー」、「戦略」の意味なのだ。

戦略について、有名なのは、孫子の兵法である。孫子の兵法では、開戦に踏み切る以前に、その戦争の利益や費用について慎重に考察することの重要性を論じており、また長期戦を回避しながら欺瞞を活用して戦うことの意義を指摘しており、戦争の指導、作戦などについて総合的な教義を示している。つまり無駄な戦いはせずに戦わずして勝利することが一番良い勝ち方であると論じている。これは“戦いを省略する”=戦略という言葉に繋がる。つまり無駄な戦争を行なわないために、どうすべきなのかを考える。一番最適な勝利方法を考えることが戦略なのである。

如何に戦争をしないで勝利をするかを考えること=構想することが戦略である。